雪山 de スリッパ (後編)

出発から約3時間後、笹川たちの車は雪山道でダートな道にはいっていました。
殆ど他の車に会わなかったのと数時間快調に走ってきた油断から、
下り坂でスリップし、まんまと路肩のフカフカ雪に埋まってしまいました。
外はー20℃ 殆ど車は通らない山道。
一番近くの民家まではおそらく2、30km
そして携帯は圏外 and バッテリーも切れて・・。
とりあえず雪をかいて何とか脱出を試みるも・・・・。
タイヤの下にひくような板も積んではいなかったので、
靴を脱ぎ、タイヤにかませてみたりもしました。
(まさかー20℃の雪山でまたスリッパになるとは思っていませんでした・・)
結局どうにもならず、どうしたものかと考えているうちに、
掛けていたエンジンも止まってしまい、遭難??
といった感じになってしまいました。
結局、たまたま通りすがったトラックの運転手さん達に引きずり出してもらい、
そのうちの一台に、街まで乗せてもらえる事になり、一命を取り留めました^^;
そのトラック運転手の バリー は、とてもやさしい人で、
へこんでいる笹川を、一生懸命元気にさせようと、
音楽を掛けては、これ知ってる?じゃあこれは??と、色々と曲を変えてくれ、
数曲目で、イーグルスのホテルカルフォルニア(笹川が好きな曲)が
流れ始めた数秒後に、バリーが「ほらほら、前を見てみなよ。」と。
で、彼の指差す方向を見ると、夜空に緑色の光のカーテンが揺らめいていました。
好きな曲が流れる中、アメリカのトラックの助手席から見るオーロラ。
なんだかとても不思議な感じでした。
その後も街までの数時間、いくつものオーロラをトラックの助手席から
みる事が出来ました。
彼がいうには、もしスーパーボール等が開催されている日だったら、
トラック運転手はTV観戦をするために誰も仕事をしないから、
誰もこの道を通らずに・・・だっただろうとか、
1970年代には、ー40℃位になったりして・・・とか、
ニューヨーク等、東海岸を走っていたことや、家族の事など、
色々話しを聞くことが出来ました。
ちなみに後日、レンタカー会社から、車のレッカー代の請求が来ました。
お値段は・・・・・日本円にして、約8万円也。。。
飛行機で北極圏に行く費用は10万円だったので、
それよりは・・・ちょっと安く済みました・・;
結局、北極圏には到達できなかったんですが、アクシデントではあったものの、
かけがいの無い、いい経験が出来たと思います。
いつの日か、バリーにお礼をしにアラスカにまた行きたいな、と思っています。
履いている靴下さえも凍るようなとても寒い土地でしたが、
とてもとても温かい人たちと出逢えました。
そんな訳で??雪山でスリッパを履くのはもう卒業しようと思います。
ベタではありますが、北極圏で打とうと思って買ったバナナと釘

凍らせたバナナを宿に忘れてしまったので、アラスカを去る前に、
バナナで釘を打つことをあきらめ、バナナに釘を打ってみました。

時間と釘が沢山余ったので

では

雪山 de スリッパ (前編)

最後の旅でアラスカに4泊してきました。
初日
深夜到着。タクシー代をケチろうと日中までバスを待つため空港泊。
 
2日目 
タクシー代をケチろうとバスを待っていたものの、バスが動いていない事が判明。
渋々タクシーで、宿まで。
タクシーのドライバーが良い人で、メーターを止めたあと、
タクシーで、30分位無料の市内観光ツアーをしてくれる。
寒いけど、人はあったかいアラスカ という感じでしょうか。
その夜は宿の付近で目当てのオーロラを見ようと試み、
-20℃の真夜中に、白いバスタオルを顔に巻きつけ4時間程歩き回るものの、
見ること出来ず。
(冷えてきたら車道シャドウボクシングをしたりして暖をとったりしてました)
その後ネットで、オーロラ予報なるものをみつけてチェックしてみると、
笹川が行ったフェアバンクスでは、滞在中に見れなさそうなことが書いてあり。。
3日目
せっかくその為にきているのに、みすみす逃して堪るか、と思い、
同じ宿に泊まっていた人達とオーロラを求め、共に車を借りて、北極圏へ行く事に。
(飛行機も出ていたのですが、10万円位掛かるようだったので)
(ちなみに、レンタカーは24時間で、5000円程度でした)
夕方にスーパーで買出しなどをした後、出発し約3時間後、
そろそろ北極圏に入ろうかという時に・・・・事は起きました。
続く・・・・・

深夜の格闘

さてそんな訳で家を新しい住人に明け渡したのですが、
日本への帰国は2月8日。
いろいろな事を考えていたのですが、結局オーロラを見るために
アラスカに行く事にしました。
安いチケットやらの関係で、出発は2月2日の朝。
そんな訳で、2月1日の宿をどうしようかと。
今まで住んでいた家のリビングのカウチで寝るとか、
友達の家に泊めてもらう、という選択肢もあったのですが、
家の近所にある、一泊$15の宿に泊まってみる事にしました。
(どんなところで、どんな人が泊まっているのか興味が湧いたので)
こんな感じの路地を抜けて~

たどり着いたのは、看板も注意していないと見逃してしまうような・・宿。
おいおい、大丈夫かよ!?というような外観でしたが、中はわりと普通でした。
つい最近トロントに行ったばかりで今度はアラスカ。
無職の笹川にとってはなかなか・・・だったので、
米など、食料品を持ち歩いての旅でした。
そんな訳で、クッキングタイム♪♪
まずは、米を鍋に入れて火に掛けて~
Kitty も大好きなツナ缶(本日のメイン)を開けて・・・ん、んんんぅ~、
開きません・・・というか、完全にこの缶切、壊れています。。
しかし中途半端に小さな穴だけ開いてしまったため、
このまま次の宿に持って行く事は出来ませんし、
ご飯を炊き始めてしまったのに、ツナ以外のおかずが無い。
ここで引き下がっては男が廃る、という事で夜11時を過ぎた
寂れた宿の共同キッチンで、ツナ缶と格闘すること数十分。


遂にやったよ、俺! うん、頑張ったぞ、俺!!
で、ふと時計に目をやると、時刻は~~

気付けば、バンクーバーの時間でも誕生日を迎えていました。
こんな感じで始まった31才、いろいろ頑張っていけそうな気がします^^:
そんな訳で、誕生日おめでとう、俺!!!

シェアハウスを出て

さてそんな訳で2月1日の朝、長々住んだ家とお別れしました。
ずっと一緒に住んでいた、CGアニメーションを作っているMike、
後半の数ヶ月間、一緒に住んだJeff。
(とは言ってもJeffはDJをやっていて、ヨーロッパやら、
オーストラリアツアーに出たりしていたので、ちゃんと過ごしたのは僅かですが。)
そしてツナ缶が大好きなKitty ともお別れしました。
Kitty とはメールも電話も出来ないので、本当にお別れ、という感じでした。。
笹川は相変わらずゴロゴロが付いているバックを持っていない為、
冬なのにすぐに汗ばんでしまうような大荷物でバタバタと出発。
17時間の時差がある日本では、2月2日になっていたようですが、
笹川はその頃はまだ、バンクーバー時間では30才でした。

洗い場で。

随分前にお話しましたが、笹川はレストランでデッシュウォッシャー(皿洗い)を
していました。
カナダで演劇学校のオリエンテーションを受け、どうしても通ってみたくなり
その学費を補うために慌てて始めたこのバイト、気付けば10ヵ月間続けていました。
皿洗いは、言ってしまえば、大分・・・な仕事です。
~~ 友人AとB との3人でのある日の会話 ~~(意訳)

A koji 最近仕事はどうよ?
笹 うん、まぁボチボチやってるよ。
A てかさ、チップ込みで、一日いくら位貰ってるんだっ   け?
笹 日にもよるけど大体ーードル位かな。
A そっか、今うちの店で皿下げ係りと、皿洗いを募集し  ているんだけど、それの倍以上は稼げるよ。良かった  らマネージャーに話してあげるよ。
笹 そっか、ありがと。でも今の店のオーナーがいい人   で、お世話になっているし、良い同僚にも恵まれている  から、今のレストランを辞める気はないんだ。
A そっか~じゃあまぁ、気が向いたら言ってね。
B それだったら俺をマネージャーに紹介してよ。今あんま  り金ないし。
A えっ!!・・・でも皿洗いだよ、マジで言ってる       の・・・?

笹 (・・・・・・・・おぃおぃ、俺ならいいのか                   よ。。。)

まぁ、英語が話せるカナダ人なら普通やりたくないような仕事って事が、
なんとなく会話から伝わりますでしょうか。
まぁ、その後も何度か、真面目に働く日本人ということで
転職のお誘いを受ける機会があったのですが、断ってきました。
実際お金も必要だったのでちょっと揺れたこともあったのですが、
まだカナダに来て間もない頃の軽いノイローゼ気味になっていた(漫談の頃)
自分を知っていて、いつも気に掛けてくれて、お世話になったオーナーの
少しでも役に立てたらいいな、と思っていたので、お金よりも、縁の方が大事かと。
オーナーは、日本からカナダに移民して、店を立ち上げ、増やし、
更にまた一店舗構えようとしている、力強く、男気のある優しい人で、
男から見ても格好良いな、と思える人でした。
みんなに頼られていて、彼はゴットファザーだ、とか言っている同僚もいました。
それに、以前にも書きましたが、こんな偶然もありましたし。
こんな感じの関係。。
笹        ー  同僚 ー   JOSH
│                │
ルームメイト      ルームメイト
│                │
Daphne - 同僚 -   Mark
マークには電車の中やら街中やら、やたらと偶然会いました。
おいしくて雰囲気もスタッフも良い感じなので、もしバンクーバーに
行く機会があるかたは是非。
ここで経験して学んだことは一生忘れません。
餃子の作り方・・・とかね。^^。
10ヶ月間、苦楽を共にしたディッシュウォッシャー

雲海の上の楽園で

1月31日、約11ヶ月住んだこの家とお別れする日がやってきました。
で、そんな日に家から3、40分位のところにあり、家のすぐそばから
毎日見ていた近くて遠い山、グラウスマウンテンに、行ってきました。
この山には、夏場に何度か登山をしたり、両親が観光で来ていた時には
山の上からバンクーバーを見るためにゴンドラで登ったりしていたのですが、
スノボをするために行ったのは初めてでした。
この日はこのスキー場のシーズンパスを持っている人について行くと
リフト券が無料になる、というキャンペーンをやっていたので、
荷造りも全然終わっていなかったのですが、今回行かなきゃもう行く機会が
なさそうだな~と思った為、急遽連れて行ってもらう事に。
ただ、なんでも板やブーツはレンタルで借りれるけど、ウェアの
レンタルはやっていないかも(結局あったみたいですが)という情報を得たので、
どうしようかと。。
新しいものを安く買おうかとも思ったのですが、すでに夜8時を過ぎていて、
大半の店は閉まっていて、ちょっと遠くのスーパーまで行って探したのですが、
売っていなく、結局$10 の防水スプレーを購入。
で、夜中に庭で以前衣装用に$2 で買ったパンツに一本まるまる掛けてみました。
$12 で作ったスノボ用パンツなのですが、薄手て動きやすく、水漏れもせず
かなり快適でした。上は普段着ているダウンジャケットで、
なんか身軽で気持ち良かったです。
ただ、スプレーを一本分振り掛けたてホヤホヤなので防水スプレーの匂いが
強烈で、周りの人にはちょっと迷惑だったかも・・・ですが。

今回は前回の教訓を生かして、バックパックを担いで行きませんでした。
(12月後半を参照)
でも、服は着替えなくていいとしても、ブーツは現地で借りて履き替えなきゃ
いけないし・・・と、色々考えた末、
持ち運んでもかさばらないアレで行く事にしました。

そうです、スリッパです。 う~ん、雪山をナメた格好ですね。
(この数日後、雪山をなめてはいけない、と思わせる大変な事が起きます。
それはまたいずれ・・)
新潟県人で、小さい頃に雪の上を裸足で歩いた事もありますが、
それでも結構冷たかったです。
(東っ子は裸足っ子なので・・・って、分かる人は見てなさそう。。)
今回は腰の痛みも無くかなり久しぶりに楽しんで滑れました。

そしてその日の夜は、10ヶ月間お世話になったバイト先のオーナーに
ご飯をご馳走になりました。